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化学調味料の実力を実験した話



料理をしていると
「何か物足りない」「ひと味たりない」
そう思うことはないだろうか?

この何か、ひと味とは何だろうか。
辛味、酸味、旨味...etc いろいろなパターンがあると思う。

私の場合、圧倒的に多いパターンは「コクが足りない」だ。
しかも、解決が難しい。
醤油を足してみたり、うま味調味料を足してみたり、砂糖を足してみたり。
小手先で解決しようとするがいつもあと一歩たりず、結局妥協して終わる。

「コクが足りない」は手強い敵なのだ。

しかしこの「コク」とはなんだろう?
調べるとどうも味のバランス、厚みということらしい。
一番納得できたwebサイトからの説明を引用する。
「コクは、言ってしまえば色んな味がするっていう事です。基本5味と呼ばれる甘味、旨味、苦味、塩味、酸味がバランスよく感じられると『コクがある』という状態になります」


つまりコクを出したければ、基本5味をバランスよく調合すれば良い。
しかし実際はどうだろう。コクのある料理といえば
カレーやシチュー、生クリームやチーズ、ラーメンのスープや出汁が思い浮かぶが
どれも手間と時間と材料費のかかる料理ばかりだ。

ちょっとまってくれ!!!
「個人の料理でちまちまとやっていてはスピード感を求められる現代戦では戦えない。」
誰もがそう言うことだろう。


しかし私は天啓を得た。
味の素が発見したコクの成分、グルタミルバリルグリシンだ。強そうだ。
https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/kodawari/step1/tec_dev.html
さすがは世界のAJINOMOTOである。これがあれば手軽にコクのある料理が作れる!

そんな世界の味の素発売の「コクのチカラ」の実力・・・ぜひ確かめたい。
天下の味の素製品の実力を試すため
コクのチカラ 鶏のコク、味の素、丸鶏がらスープを比較実験する。


まずは成分の比較

味の素
グルタミン酸ナトリウム 97.5%、イノシン酸ナトリウム 1.25%、グアニル酸ナトリウム 1.25%

丸鶏がらスープ
食塩、デキストリン、チキンエキス、鶏油、野菜エキス、こしょう、たん白加水分解物、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、乳化剤

コクのチカラ 鶏のコク
デキストリン、酵母エキス、チキンエキス、チキンパウダー、食塩、野菜エキス(たまねぎエキス、キャベツエキス、にんじんエキス)、食用油脂、こしょう、食用風味油/調味料(アミノ酸等)、(一部に小麦・大豆・鶏肉を含む)


野菜エキス、酵母エキス、食用油脂などコクが出そうな成分が入っている。
成分比較は期待が持てそうな結果だ。

しかし、本番は実食だ。
実験方法はだしが足りないスープにそれぞれの製品の推奨分量を加えて味を確かめる。
果たしてコクは出るのか・・・

実験用スープは、鶏肉・塩・うすくち醤油のみで味付けした。だしの足りないスープ
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秤で分量を計測して
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投入、まぜまぜ
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1つのスープを飲んだ後は水道水でうがいする


結果
何もなし
塩味の醤油湯・・・に近いが鶏ガラの油で一応は飲めるスープになっている。ただ、後味がすぐなくなりいわゆる旨味は全くなし

味の素
なにもない場合に比べて劇的な変化、ごく少量でこれほど変わるのかと驚いた。後味の旨味、味が伸びるような感覚が強くなる。

丸鶏がらスープ
調味料自体の塩気と味が強く、若干別の味になってしまったがコク・うまみ的には味の素と大きくは変わらないと感じた。ただ、他2つと比べて一番「スープっぽい味」になった

コクのチカラ 鶏のコク
一口目で驚いた。他2つの調味料とは出汁感というか趣が違う。一番近いのはしじみ汁の出汁。確かに一番コクがでるが違和感も強いので入れすぎると変な味に感じそう。



結論
コクのチカラ 鶏のチカラは確かに一番コクが出るが味の違和感がでやすそう。

もう少し使い続けて使える料理や分量のコツをつかむ必要がありそう。
ぱいん